Aqua Tips
No.013 塩ビ板で可動式のフタを作る - 2010.2.11
皆さんは水槽のフタは何を使っていますか? 近頃は水槽のサイズが多彩になった影響でガラス蓋が付属しているので付属品のフタを使っている人が多いと思います。 今回のAqua Tipsは、付属品のガラス蓋を割ってしまい困った時やADA水槽のようにフタが別売りの場合に使えるテクニックをご紹介いたします。



こちらが完成品。 2枚の塩ビ板にステンレスの蝶番を取り付けて可動式にしています。 餌やりやちょっとしたメンテナンスにいちいちフタをどかす必要が無いので想像以上に便利です。 塩ビ板はガラス蓋よりも保温性に優れているのでヒーターの電気代も削減できてエコロジーですし、ガラス蓋のように簡単に割れないので扱いやすいです。 汚れた場合は柔らかいスポンジで水洗いすれば綺麗になります(傷が付きやすいので硬いスポンジはNG)。

ということで、さっそくですが製作過程をご紹介致します。
STEP.1 塩ビ板の入手

塩ビ板は3mm厚のものが適切です(プラ板は反ってしまうのでフタには適しません)。
可動式のフタでは必ず蝶番に対して直角位置に支点を設ける必要があります。 写真の白丸+黄色1or黄色2にフックがあればOKですが、赤丸の位置では蝶番が中折れするためフタを支えられません。 照明器具や外部フィルターのパイプ位置を考慮しつつフタの開閉向きに対して適切なフック位置を確保できるか良く検討して下さい。

板のサイズは半々だとバランスが悪いため1:2〜1:3にすると良いでしょう。 はざい屋さんなら注文後に寸法図を書いてメールで送ればその通りにカットしてくれます。
届いたばかりの塩ビ板は角が非常に尖っています。 このままフタにしてしまうと餌やりやメンテナンス時に怪我をするためサンドペーパー(#240〜#400程度を推奨)で角を落としたほうがいいです。 サンドペーパーが無い場合は爪きりのヤスリでも代用できます。
STEP.2 蝶番とビスの入手


蝶番とビスはステンレス製のものを購入してください。 ホームセンターの金物コーナーに行けば両方で400円程度で購入できます。 蝶番のサイズは取り付ける辺の長さが30cm以内なら25mm、45cmなら30mm〜40mmのものを購入してください。 蝶番にはたいてい木ネジが付属していますが塩ビ板に木ネジは使えません(割れます)のでナットで止めるビスは絶対に必要です。 25mm蝶番ならM3×5mmのビスが適切です(写真は8mmのビスです)。
STEP.3 ビス穴を開け蝶番を取り付ける


蝶番の位置は写真を参考にしてください。取り付け位置に蝶番を置いて油性マジックで穴の位置にマークします。 塩ビ板に穴を開けるのは電動ドリルよりハンドドリルのほうが失敗が少ないです(電動ドリルの場合は下穴を開けることをお勧めします)。 穴径はビスよりも若干大きめにします。M3のビスなら3.2mm〜3.5mmのドリルが適切です。 若干のアソビがあることで蝶番に取り付ける際に穴がズレてビスが入らない失敗を避けられます。
蝶番を取り付けた状態(裏側)。写真のビスはM3x5mmを使っています。 長いビスを使うとナットからハミ出すのでフタを洗うときに怪我をしたりスポンジを引っ掛けて破きやすくなります。 ナットからビスの先端が飛び出ている場合はシリコンや接着剤を盛ってガードしましょう。
STEP.4 (番外)端材を使って翼をつける


今回製作したフタはADAキューブガーデンを使用します。 ADA水槽にはステンレスフックが付属していますが幅が狭くて安定感が無いので、可動式だと開閉時にずれてフタごと水没させやすいです。 そこで、フタに"翼"を取り付けて水槽のフチに乗せてしまうことで、フックを使わずにフタをできるようにします。

材料は塩ビ板の端材を18mm幅にカットして貰ったもの。これを塩ビ管用の接着剤で取り付けます。 透明なので接着部分が汚く見えてしまうのですがコレはガマンするしかありません。 クリップや洗濯バサミで固定して接着剤が乾けば完成です。

こんな感じでフックなしでフタができるので見た目がスッキリします。 開閉してもガタつかず安定感も抜群です。
Aqua Tips いかがでしたでしょうか? フタを自作してしまえば、フタのサイズ・形状・フック位置の都合で外部フィルターのパイプ位置や外掛けフィルターの位置が制約されることもありません。 今回のフタは通常の塩ビ板を使って保温性を確保している冬バージョンですが、穴あきパンチングボードを使えば通気性・冷却性に優れた夏バージョンも作れますよ。